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[ブログ] pH計測のIoT化 ー pHセンサの設置と保護

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pH計測に使用するpHセンサは、Atlas Scientific社の pH Kit を採用しています。
何れのpHセンサにおいても同様かと思いますが、使用前にはpHセンサの校正が必要となります。ただ、弊社の亜鉛めっき槽での計測においては、校正作業をしなくとも、かなり正確な値が計測できています。

pH Kit では Pythonで記述された計測・校正用プログラムが提供されています。今回の製作でも、その Python プログラムをベースにオリジナルのプログラムを組んでいます。

亜鉛めっき槽に常設する上でのもっとも大きな懸念事項として、腐食にどう対応するかという点があります。めっき溶液は酸性(pH:約5.8 ~ 6.3)であるため、周辺の機材は酸の影響を受けます。そのため、pHセンサを保護する筐体を用意する必要があるのですが、今回は現場環境にうまく適合するような筐体を三次元CADおよび三次元プリンタを用いて、設計・プリントすることにしました。写真は、(ちょっとわかりにくいですが)今回作成した筐体の3次元CADのスクリーンショットです。

もう1点の懸念事項は、稼働している電気めっき槽内の磁界がpHセンサに影響を与える可能性です。電気めっきが行われているめっき槽内では、当然ながら電流が発生しており、それに伴い磁界が発生しています。その磁界内に置かれたpHセンサは磁界の影響を受けることになります。

※pHセンサ(pH電極)の原理は、測定対象の溶液とpH電極内の水素イオン数の差から発生する微弱な電流を測定することで実現しています。

懸念点は幾つかあるものの、ひとまず設置し、問題が発生した際には都度対応策を考えていきたいと思います。
次回も引き続き、pH計測の IoT化について報告します。


 
2020年10月30日 10:52

[ブログ] pH計測のIoT化 ー pHセンサと表示器

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pH計測のIoT化を図るにあたり、IoT端末に取り付けるpHプローブおよびpHセンサは、Atlas Scientific社の pH Kit を採用しました。
pH Kitで提供されるpHプローブは、溶液に対し常に浸漬したままの状態で利用でき(常設できる)、ハンディタイプのpH測定器と比較してリーズナブルな価格設定であるにもかかわらず精度も良く、さらにpHセンサの通信方式はUART, I2Cに対応しており、とても取り扱いやすいpHセンサキットです。

pH Kitには Raspberry Pi用の Pythonスクリプトが用意されており、データ計測およびプローブのキャリブレーションを行うことができます。そのため、これから開発する計測システムにおいても開発言語は Python を使用します。

IoT端末は"Raspberry Pi Zero WH" を採用し、pHセンサとRaspberry Pi との接続はUART、小型ディスプレイ(0.91インチ OLED)との接続はI2Cにてそれぞれ実装しています。

Rasbian のインストールやI2C, UARTの有効化のための設定等については、既にインターネット上で多くの記事があり、それらを参考にしました。

写真は、亜鉛めっき槽から採取した溶液に浸漬し、計測している様子です。pHが少し高めに表示されていますが、pHセンサのキャリブレーションが必要なようです。(本来の pHは、約 5.8 ぐらいです。)

今回の端末には、現場でも目視で確認可能とするため小型ディスプレイを設置しますが、IoT化の目的は外部ホストからのデータ参照ができるようにすることにあるため、データの計測と同時にデータベースにも保存するようなシステムを構築していきます。

 
2020年10月08日 09:50

[ブログ] pH計測のIoT化 ー 亜鉛めっき槽 pH測定の自動化

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弊社で使用している生産設備のバレルめっきライン(亜鉛めっき)、ホイスト方式めっき自動機(ニッケルめっき, 亜鉛めっき[ジンケート浴])、エレベーター式ひっかけめっき(亜鉛めっき)の各生産ラインにて行っている亜鉛電気めっきでは、何れも酸性浴を採用しています。(ジンケート浴はアルカリ浴)

各生産ラインの担当者は、生産開始前、めっき槽のめっき溶液のpH値の測定を行っていますが、1台のハンディタイプのpHメーターを共有するかたちで、交代で測定を行っています。

このpH値の測定にあたり、作業者の業務の軽減とデータ保存、設備コストの観点から、pH計測のIoT化に取り組んでいます。
写真は製作したIoT端末の外観になります。プロトタイプのつもりですが、ほぼ完成形に近いです。

IoT端末の仕様は以下の通りです。

   [IoT端末] Raspberry Pi Zero WH
   [pH計測センサ&プローブ] Atlas Scientific pH Kit
   [表示] 0.91インチ OLED ディスプレイ
   [データベース] SQLite

今後、数回に分けて、本システムの製作の過程を説明していければと思います。

 
2020年09月24日 11:39

[ブログ] 自動亜鉛めっき装置 ー ひっかけめっき

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電気めっきの生産現場では、一度にたくさんの品物のめっきを行うために、専用のめっき装置を使います。
大きく分けるとひっかけめっきバレルめっきの2つがあり、さらにめっき対象物の搬送方式の違いにより「ホイスト式」のものと「エレベーター式」のものがあります。
今回は、弊社でも導入しているこれらの自動機のうち、エレベーター式ひっかけめっき装置について説明します。
※写真は弊社のエレベーター式ひっかけめっき装置の外観です。

■エレベーター式ひっかけめっき■
品物を取り付けた引っかけハンガーを陰極棒(ブスバー)に吊り下げ、引っかけから品物に電流を供給するのが引っかけめっきです。ひっかけめっきによる方法を採用するか否かは、バレルに入りきらない大きさであるなど品物形状および重量から決められることが多いです。

引っかけめっきでは、製品の表側となる面を陽極に向けた状態で、品物をいかに多く治具に取り付け生産性をあげるか、めっき装置の処理能力を見極めた治具設計が必要となります。たとえば、陰極と陽極との位置関係は一定であるため、同一のめっき対象物においても電流密度が高い所はめっきが厚く付き、低い所では薄くなります。また、めっき液の染み出し量を減らすために、品物に液溜まりが少なくなるよう傾けて引っかけることも重要となります。

治具は、銅や黄銅の板材にステンレスの枝を付け、接触部以外は耐薬品性の塗料やテープで絶縁します。弊社でも取り扱っている亜鉛めっき、ニッケルめっきでは製品の穴に枝骨を通すかけ方がとられることが多いです。
ひっかけめっき装置では、めっきの作業工程は自動で行われるものの、引っかけ作業は人手に頼っているため、バレルめっき法に比べてコストは高くなります。将来、ひっかけ作業も自動化できるようになれば、作業従事者のさらなる負担軽減につながるとともに、コストダウンに大きく寄与する可能性があります。


[参考文献]
図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)
図解入門 よくわかる最新めっきの基本と仕組み (株式会社秀和システム) (ISBN978-4-7980-4560-3)
 
2020年08月19日 11:09

[ブログ] めっき速度 ー ファラデーの法則(亜鉛めっきの場合)

前回に引き続き、電気めっきの特徴になります。

めっき加工の生産現場においては、めっきにかかる時間の把握は、生産スケジュールおよび品質管理上、重要な要素となります。

めっきにかかる時間は、ファラデーの法則(ファラデーの電気分解の法則)による計算式から、析出する膜厚との関係性で割り出すことができます。
ファラデーの法則には、次の2つの法則があります。(出典:Wikipedia)

    [第一法則] 析出(電気分解)された物質の量は、流れた電気量に比例する。
    [第二法則] 電気化学当量は化学当量に等しく、同じものである。

これらの法則を元に、めっき金属の原子量とイオンの価数(原子価)、流した電流量とめっき時間から、析出量を求めることができます。(次式)


   [計算式] 析出量 = 1g当量 × 電気量 / 96500


さらに単位面積あたりの析出量を密度で割ると、めっき厚さに換算できます。

例えば、めっき時間を20分間(1200秒) とした場合、以下のような数式によりめっき膜厚を算出できます。

 
【亜鉛めっきの場合の計算に使用する値】
亜鉛の密度 7.14[g/㎥]
亜鉛の原子量 65.38
亜鉛の原子価 2
ファラデー定数 1[F] = 96500[C]
亜鉛の電流密度(酸性浴) 2[A/㎠]
電流を流す時間 1200[s]



 式: 析出量 = 1g当量 × 電気量 / 96500 = 65.38/2 × 2[A]×1200/96500=0.814[g/100㎠]


上記式で算出した値は 100[㎠] あたりの析出量になるため、単位をそろえた上で亜鉛密度で除算することで膜厚を算出します。


 式: 膜厚 = "析出量" / "亜鉛密度" = 0.814[g] / 100[㎠] / 7.14[g/㎥] = 0.00114[cm] = 0.0000114[m] = 11.4[μm]


このように電流を流す時間から膜厚を算出することができますが、めっき金属やめっき浴の種類(酸性かアルカリ性か)、析出時のイオン価数やめっきの電流効率を考慮する必要があり、多くの場合、このような計算式から算出される理論値と実際の膜厚とは異なります。膜厚をどのようにコントロールするかは、各生産現場でのノウハウとなります。



[参考文献]
図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)
図解入門 よくわかる最新めっきの基本と仕組み (株式会社秀和システム) (ISBN978-4-7980-4560-3)
2020年05月26日 09:43

[ブログ] 電気亜鉛めっきの特徴 ー 被膜厚さにむら?

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前回に引き続き、電気めっきの特徴について解説していきます。

めっき品質の重要なポイントとして挙げられるのは、めっき対象物表面上のめっき金属の膜厚が十分であるか、また、対象物に均一についているかという点です。

陰極(カソード)の極棒にめっき対象物を取り付けた上めっき液に浸漬(液体に浸すこと)し、整流器から直流電流を治具を通してめっき対象物に流すと、対象物表面にめっき皮膜を形成していきます。
めっき液に流す電流量(工場などの生産現場のめっき槽では数十から数百アンペア)はめっき対象物の表面積で決めますが、単位面積当たりの電流濃度を電流密度といい、各めっきごとに適正な範囲があります。

めっき工場の自動めっきラインでは、陽極(アノード)の基本位置が固定されているため、めっき対象物表面上には電流分布が生じており(図参照:電流密度に差が発生)、陽極に対し出っ張っている個所は電流が多く流れめっきがつきやすく、奥まっている個所は電流が弱くめっきがつきにくい傾向があります。

めっき厚さの分布は均一電着性と呼ばれ、めっき工場の現場では、めっき対象物の電極への取り付け位置を工夫したり、めっき液の改良を行うことで、この均一電着性の向上に、日々、取り組んでいます。

*****************

めっきなどの表面処理技術において被膜の均一性をデスクトップ上でシミュレーションできる研究がなされているようです。MATLABとCOMSOLを連携させ、シミュレーション環境を構築しているようですが、詳細は不明です。めっき対象物上の電流分布のむらが生産ラインに載せる前に判別できれば、ひっかけによるめっき工程においても、最適なひっかけ位置を割り出すことができ、生産現場での効率化につながるかと思います。


参考文献:図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)
     図解入門 よくわかる最新めっきの基本と仕組み (株式会社秀和システム) (ISBN978-4-7980-4560-3)

参考サイト:MathWorks -MATLAB (https://jp.mathworks.com/)
                  COMSOL  (https://www.comsol.jp/)

 
2020年04月06日 11:07

[ブログ] 電気めっきとそのしくみ

酸化還元反応
ここでは、改めて電気めっきについて紹介し、そのしくみについて説明していきます。

電気めっきは、電気エネルギーにより溶液中の金属イオンを還元することで、対象物表面に金属イオンの金属を析出、皮膜を形成させるめっき方法になります。
陰極(カソード)にはめっきを施したい対象物を取り付け、陽極(アノード)にはめっきする金属をセットします。
陰極では、整流器から供給された電気エネルギーにより電子が供給され(還元反応)、めっき対象物表面にはめっきする金属が析出します。
一方、陽極ではめっきする金属が電気分解され金属イオンが溶液中に溶け出します。(酸化反応)
これらの化学反応が連続して発生することで、めっき対象物表面に金属皮膜を形成します。

できるだけ均一にめっき皮膜が形成されるようにするために、陰極および陽極を浸すめっき溶液は、常に一定濃度に保たれるよう管理されていますが、陰極で還元反応が起こると、一時的に陰極付近でのイオン濃度が低下するので、このような金属イオン濃度の不均一を解消するためにめっき溶液の撹拌を行う必要があります。

めっきの生産現場では、安定しためっき皮膜の析出を図るため、生産設備およびめっき溶液に対し様々な工夫が施されています。


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酸化還元反応などの化学反応をシミュレーションできたら良いなと思い、インターネットで調べてみると「RDKit」というケモインフォマティックスというオープンソースのツー
ルキット(http://www.rdkit.org/)が見つかりました。Python および C++ のAPIが利用できるようです。
今後、機会があればシミュレーションによる様々なアプローチについても発信していければと思います。


参考文献:図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)
     図解入門 よくわかる最新めっきの基本と仕組み (株式会社秀和システム) (ISBN978-4-7980-4560-3)

 
2020年03月04日 11:24

[ブログ] 様々なめっき方式

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久しぶりの更新になります。本日、関東・甲信越地方には雪が見込まれる予報でしたが、幸運にも積雪はなく、スタッフ一同、無事に出勤できました。それでは、今日は、様々なめっき方式について紹介していきます。

めっき法は、大きく「湿式めっき」と「乾式めっき」に分けられます。現在、最も多く利用されているのは「湿式めっき」で、電気めっきと無電解めっきがあります。

湿式めっき

・電気めっき
電気分解(電解)の応用で、めっき液中の金属イオンを電気化学的に還元し、金属皮膜を生成させる手法です。ニッケルめっきの場合、ニッケルイオンを含んだめっき液に、金属ニッケルを陽極、めっきの対象物を陰極に設定し、直流電流を通すと、陽極ニッケルは溶解してニッケルイオンになり、陰極ではニッケルイオンが電子を得て金属ニッケルの被膜が形成されます。

・無電解めっき
イオン化傾向の違いを応用した置換法は、皮膜が厚くならない欠点があります。これを克服するため、現在、還元剤を使う自己触媒めっきが普及しています。めっき金属自体を還元剤の酸化反応(電子の放出)を促す触媒として機能させて金属イオンの析出を図るもので、還元剤にホルマリン等を使った無電解銅めっきや、次亜リン酸塩を使った無電解ニッケルめっきが普及しています。


乾式めっき

・溶融めっき
溶融した金属(スズや亜鉛、アルミニウムなど融点の低い金属)に鋼材を浸し、付着させる方法で、短時間で厚いめっきができます。

・溶射法
溶融しためっき素材を圧縮空気で微粒子状にし、めっき対象物に溶射して皮膜を形成する方法です。

・気相めっき
物理的気相めっき法(PVD)と、化学的気相めっき法(CVD)の2つの方法があります。

[PVD] 真空中で金属を蒸発させて対象物に付着させる真空蒸着法が知られますが、析出速度が遅いため、蒸発金属を+、めっき対象物を ーに帯電させて効率化を図ったイオンプレーティング法や、アルゴンガスに高電圧をかけて電離させ、そのイオンをめっき金属に衝突させることで金属原子を放出させてめっきするスパッタリング法が開発されています。

[CVD] めっき金属の蒸気を含んだ混合気体の中にめっき対象物を置き、加熱し、熱化学反応によって皮膜の生成を得る方法です。例えば、塩化チタン蒸気と水素の混合気体の中でめっき対象物を加熱すると、表面に金属チタンの皮膜が形成されます。


上記のように、めっき方法にはいくつかの手法が存在しますが、弊社では電気めっきによる加工を取り扱っていますので、今後のブログでも電気めっきを中心に説明していきます。



参考文献:図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)




 
2020年01月28日 16:57

[ブログ] めっきの目的

こんにちは。
週に一度のペースで、ブログの更新ができればと思います。

さて、今回はめっきの「目的」について、用途別にお話して参ります。

めっき加工の大半は、錆を防ぐ目的(防食), もしくは装飾目的で行われていますが、対象物に対し特性を付与する目的でもめっきが活用されています。前回と同様、「図解 めっき技術の基礎」(株式会社ナツメ社)を参考にしながら、進めます。

◆用途A◆ 防食めっき
 素材の腐食を防ぐために施されるめっきで、多くは鉄鋼の防食を目的としています。(亜鉛めっき、ニッケルめっき、スズめっきなど)

◆用途B◆ 装飾めっき
 アクセサリーや宝飾品、家庭で使われる生活用具や自動車などの工業製品のめっきにも利用されています。(金めっき、銀めっき、クロムめっきなど)

◆用途C◆ 耐摩耗性を付与するめっき [特性付与]
 自動車や航空機等の機械部品の煽動部分にクロムめっきが利用されています。(硬質クロムめっき)

◆用途D◆ 電気的特性を付与するめっき [特性付与]
 積層プリント回路基板に半導体部品を実装するために導電性を与えたり、高周波障害予防のための電磁波シールドを施すなどの特殊なめっきです。

◆用途E◆ 光・熱特性を付与するめっき [特性付与]
 部品の耐熱性を高めるため、ニッケルやタングステン、クロムなどのめっきが施されます。また、熱伝導や放熱性の向上や高熱の反射には銅や銀のめっきが、ソーラー部品の熱の吸収にはクロムなどの黒色めっきが用いられます。

◆用途F◆ プラスチック/セラミックへのめっき
 ニッケルや銅の無電解めっき技術による、金属以外の素材(プラスチックなど)へのめっきが可能です。自動車部品への応用では、耐候性や耐膨張性、耐収縮性を高めています。
 

以上の例からもわかるように、既に、私たちの身の回りのいたるところにめっき技術が活かされていて、今後も新たな目的のために応用範囲はさらに広がっていくものと考えられます。




参考文献:図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)



 
2020年01月14日 08:20

[ブログ] ブログ始めました!

こんにちは!
この度、ブログを始めました。
弊社の生業であるめっきとそれに纏わる様々なトピック(特に IoT とか、スマートファクトリーとか)について発信できればと思います。

初回のテーマは........、やはりめっきです。

初回らしく、めっきの歴史についてお話しできればと思います。

すでに多くの文献やインターネット上の記事にて紹介されていますが、わが国、日本におけるめっき(鍍金)の始まりは、古墳時代(3世紀~6世紀)と考えられており、青銅に装飾目的の金めっきを施した冠などが多く出土しているそうです。
752年に建立された奈良 東大寺の大仏には、アマルガム法というめっき手法を使った金めっきが施されていたことが、大仏建立の経過が記録された碑文からも判明しています。
アマルガム法や、イオン化傾向の差を利用した置換法は、「無電解めっき法」という、めっきを行うにあたり、電気を使用しない手法に分類されます。
現代におけるめっき技術の主流である「電気めっき法」は、1855年に薩摩藩 藩主・島津斉彬が甲冑に施した金めっきおよび銀めっきが国内初の電気めっきといわれています。

歴史の話からは変わり、IoT的なお話をしますと、現代では、工業化に伴い、生産性および作業従事者の安全性の観点から、機械式自動めっき装置の導入が進んでいます。
ただ、自動機自体はそれぞれが独立で動作しており、生産調整等については、人の判断に委ねられています。
もし各自動機がネットワークで繋がれば、相互で最適な稼働スケジュールを自動的に算出するようなアルゴリズムの開発が可能となり、生産性の向上や不具合発生時のリカバリーに役立つものと考えます。



参考文献:図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)


 
2020年01月09日 08:41
外観
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