[ブログ] 電気めっきとそのしくみ
電気めっきは、電気エネルギーにより溶液中の金属イオンを還元することで、対象物表面に金属イオンの金属を析出、皮膜を形成させるめっき方法になります。
陰極(カソード)にはめっきを施したい対象物を取り付け、陽極(アノード)にはめっきする金属をセットします。
陰極では、整流器から供給された電気エネルギーにより電子が供給され(還元反応)、めっき対象物表面にはめっきする金属が析出します。
一方、陽極ではめっきする金属が電気分解され金属イオンが溶液中に溶け出します。(酸化反応)
これらの化学反応が連続して発生することで、めっき対象物表面に金属皮膜を形成します。
できるだけ均一にめっき皮膜が形成されるようにするために、陰極および陽極を浸すめっき溶液は、常に一定濃度に保たれるよう管理されていますが、陰極で還元反応が起こると、一時的に陰極付近でのイオン濃度が低下するので、このような金属イオン濃度の不均一を解消するためにめっき溶液の撹拌を行う必要があります。
めっきの生産現場では、安定しためっき皮膜の析出を図るため、生産設備およびめっき溶液に対し様々な工夫が施されています。
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酸化還元反応などの化学反応をシミュレーションできたら良いなと思い、インターネットで調べてみると「RDKit」というケモインフォマティックスというオープンソースのツー
ルキット(http://www.rdkit.org/)が見つかりました。Python および C++ のAPIが利用できるようです。
今後、機会があればシミュレーションによる様々なアプローチについても発信していければと思います。
参考文献:図解 めっき技術の基礎 (株式会社ナツメ社) (ISBN978-4-8163-6183-8)
図解入門 よくわかる最新めっきの基本と仕組み (株式会社秀和システム) (ISBN978-4-7980-4560-3)
2020年03月04日 11:24