水素吸入による部材に対する影響
めっき対象部材の前処理である酸洗い工程およびめっき工程において、部材表面に発生した水素原子が対象部材内に入り込み、部材使用時の応力集中部に水素原子が集まり、部材破壊につながると考えられています。鉄鋼製品を例にあげると、鉄の結晶構造は体心立方格子構造(下図)であり、その格子間隔は約2~3Åです。水素原子の大きさは約1.1Åであるため、容易に鉄部材内に侵入できます。
ちなみに、亜鉛の結晶構造は六方格子構造です。体心立方格子構造に比べると複雑な構造になっており、水素原子の移動も難しくなります。